たけしの忙中閑話

語学力

外務省に入ってからというもの、とにかく朝から晩までいわゆる「外人さん」とお会いする毎日が続いている。となるとどうしても「語学力」、とりわけ「英語力」というものが必要となってくる。

もちろん、会談のたびに通訳はついてくれている。そのために語学を習得してきたエキスパートたちがしっかりと支えてくれはするのだが、できることなら自分の言葉で直接話したいというのが人情だし、第一、時間の節約にもなる。

「お客さん」の使用言語はもちろん国によってさまざまではあるのだが、およそ外交の舞台に出てくるような御仁は複数の言語を自由にあやつる人が多い。とりわけヨーロッパの人たちは少なくとも三ヶ国語くらいは平気でしゃべる。まぁ、もともと「親戚」のような言葉どうしだから簡単に使い分けられるんだという説もある。なに、「標準語と大分弁と鹿児島弁を使えるといった程度なのだ。自分はさらに別府弁と中津弁の区別もできるんだぞ」などと自分を慰めてはみるものの、それが外交の役に立つわけでもなく、意気消沈するだけに終わる。

要は英語さえしっかりものにできていればほとんどの外交舞台で困ることはないという次第なのだが、これがなかなか思うようにいかずに目下、悪戦苦闘しているというわけである。

小生、実は学生時代は英語を得意としていた。高校入試も大学入試もこの英語の得点力で乗り切ったと言っても過言ではない。しかし、所詮は「入試英語」である。「会話」というのはまた別物だ。こればかりは現場で場数を踏まないことにはどうにもならない。つくづく留学しなかったことがくやまれるこの頃である。

しかし、である。あきらめるのはまだ早い。いや、何事もあきらめてはならない。この際はこれを機に英語を勉強し直すばかりでなく、願わくば会話まで習得するぞ!と決意して目下、奮闘中なのである。

まず手始めに子どもが持っている電子辞書を買ってきたのが、いやはや、これがすこぶる「すぐれもの」なのである。語学を勉強するとなると、また学生時代のようにあの分厚くて字が小さい辞書をひきひきやらなくてはいけないといささか億劫に感じていたのだが、今時の電子辞書には「英和」から「英英」から「和英」のみならず、「広辞苑」から「古語辞典」にいたるまで何十種類もの辞書がコンパクトにまとめられている。まずはこれを肌身離さず持ってボキャブラリーの回復に努めている。

さらに最近ではNHKの定時のニュースも「音声切替」を使って極力英語で聞いている。議員会館のテレビも副大臣室のテレビも、さらには宿舎のテレビも「CNN」にチャンネルを合わせた。新聞はダイジェストだけ日本のものでチェックしたあとはできるだけ英字新聞を読むようにしている。海外に行くときは機内で見る映画も「吹き替え」のないものを観るようにした(すぐに寝てしまうのだが)。その上で過去に外務大臣が海外で行なった英語のスピーチを一覧を取り寄せて暇を見つけては音読しているといった具合である。

この涙ぐましい努力のかいあって最近になってようやく「お客さん」のしゃべる英語の7割くらいはなんとか聞き取れるようになってはきた。実際にはお国によって「訛り」が入るのでそう簡単ではないのだが、ヒアリングの能力は好むと好まざるとにかかわらず強制的に毎日、誰かの英語を聞かされるのだからして時間とともに改善していくだろうと思っている。

しかし、問題はむしろ「しゃべる」ほうだ。小生、簡単な日常会話はさほど困らない。ところが、いよいよ政治や経済の話となると今の実力では途端に行き詰ってしまう。
しこもこればかりは普段、あまり練習する機会がない。

 ぶっつけ本番となるとなかなかスラスラと言葉が出てこない。まぁしかし、泣き言を言ってもはじまらない。要は「伝えたいことと、その熱意さえあればいいのだ」とある達人からアドバイスをいただいて、果敢にチャレンジしていくことにした。

 え、そこまでやってものにならなかったらどうするの?だって。それは聞かないでいただきたい。「成せば成る!!」の精神で頑張るのみである。
そのうち、英語でスピーチしてみましょうかね。。。(笑)

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