岩屋たけしのメッセージ

平成28年11月01日
「いよいよ観光立国へ」

観光庁は、訪日外国人観光客が2000万人に達したと発表しました。政府が当初、掲げていた目標は「2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでに2000万人」でしたから、4年も早くこの目標をクリアーしたことになります。

もっとも、この数字でも世界では16位、アジアでは中国、香港、タイ、マレーシアに次ぐ5番目です。世界1位のフランスは約6000万人の人口で毎年8000万人の外国人観光客を迎えているのですから、まだまだ上には上がいるということですね。

政府が今年、目標を大幅に上方修正したことは以前に申し上げたとおりです。新しい目標は「東京オリ・パラまでに4000万人、その10年後の2030年までに6000万人」という、極めて意欲的なものであり、その時の外国人観光客消費額目標は15兆円とされています(現在は約4兆円)。

2030年には世界人口が80億人に達すると予測されており、その段階では約18億人が海外旅行に出かけるようになると言われています。したがって、2030年には、世界の海外旅行客のうち約3.3%が日本を訪れるようにしようという計画なのですね。

そのための今後の課題としてはまず、「アジア偏重からの脱却」です。アジアは急速に豊かになっており、今後ともこの地域が主たるターゲットであることに変わりはありませんが、アジア以外の地域からの誘客にもっと力を入れていくことが必要です。ちなみに、世界で最も観光消費額が高いのはオーストラリア人観光客だとされていますから、欧米に加えて豪州方面でのキャンペーンにもっと力を入れていくべきでしょう。

次には、「ゴールデンルート偏重からの脱却」です。現在、外国人観光客の大半は「東京、富士山、大阪、京都、奈良」といった地域に集中してしまっています。これらの地域が観光で栄えることはもちろん結構なことですが、今後はもっと幅広い地域に観光客を誘導していくことを考えていかなければなりません。

政府の新しい観光ビジョンでは、現在、2000万人泊にとどまっている地方での外国人宿泊者数を2030年までに1億3000万人泊にまで引き上げることを目標にしていますので、これからは地方での新たな「ゴールデンルート」を開拓していくことが必要です。そのために地方の観光地の魅力アップのための取り組みを国がもっとしっかり支援していかねばなりませんね。

三番目には「コンテンツの充実」です。ひと頃、「爆買い」という言葉が紙面を賑わしましたね。今後とも「ショッピング」が旅行の楽しみのひとつであることに変わりはありませんが、我が国がそうであるように、どの国も豊かになっていけば、たいていのものは自国で手に入るようになります。今後は「モノからコト」へのシフトが必要でしょう。体験型のツアーや文化芸術鑑賞ツアー、そして各種のエンターテイメントを盛りだくさんに提供していくことができる体制を整えていかなければなりません。

私がこれまで同志の皆さんとともに取り組んできた「IR」は、数千室規模のホテル、大規模な国際会議場、国際展示場、シアター、ショッピングゾーン、レストランゾーン、遊園地、水族館等に加えて、世界の140か国で合法化されているカジノというゲーミング施設をごく一部に含んだ、あくまでも「統合型観光施設」を指します。これを日本全体の観光振興効果を考慮したうえで国内に数か所だけ限定的に認めていこうとするものです。

これらのIRには「集客の拠点」として、あるいは「クール・ジャパンの発信基地」として、さらには「地域周遊観光の拠点」としての役割を果たしてもらうことを想定しています。6000万人の外国人観光客の訪日を実現し、なおかつ、全国の隅々にまで足を運んでもらうための仕掛けを作っていこうというのが「IR構想」の真意なのです(拙書に詳述したとおりです)。

いよいよこの「IR法案」も審議入りが間近となってまいりました。しっかりと準備をおこない、充実した議論をおこなって、ぜひともこの国会で成立させたいと決意しているところです。