岩屋たけしのメッセージ

平成28年04月01日
「いざ、観光立国へ」

昨年、私の地元でのポスターに掲げたスローガンがこの言葉でした。「何をいまさら」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、「まさにこれから」なのです。

政府は一昨日、訪日外国人数を2020年に現在の2倍の4000万人、2030年には同3倍の6000万人に増やす新しい目標を定めました(「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」議長 安倍晋三総理)。当初は2020年の「東京オリンピック・パラリンピック」までに2000万人にするという計画だったのですが、既に5年前倒しでその目標を達成してしまうほどに、急速にこの分野が伸びているからです。そこで今回、目標を大幅に引き上げたわけですね。

ちなみに昨年は前年度対比で47%という驚くべき伸びを示しています。今のところ、中国からの観光客に大きく依存している傾向がありますので、その中国の経済状況いかんでは、今までのようなペースでは伸びていかないのではないかという見方もたしかにありますが、経済成長を続けているのは何も中国だけではありません。海外旅行に出かける人の数は全世界で毎年、5.5%くらいずつ増え続けており、現在の約11億人が2030年には18億人になるだろうと予想されています。6000万人と言えばその僅か3.3%。決して不可能な目標ではないと思います。

言うまでもなく、大事なのはその経済効果です。そこで、外国人観光客の消費額についても新たな目標が設定されました。2020年に現在の2倍超の8兆円、2030年には15兆円にするという内容です。この外国人による消費は外貨を稼ぐことと同じことになりますので、統計上は「輸出」勘定になります。昨年は約4兆円でしたが、これは自動車部品の輸出額に並ぶ規模となっています。仮にこれが8兆円になれば、化学製品の輸出額を上回り、12兆円の自動車の輸出額に次ぐ存在となります。言うまでもなく、そこに大きな「雇用」が発生します。「観光」というのはそれほどに大きな可能性を秘めており、まさに「成長戦略」のエンジン、「地方創生」の柱になり得るのですね。

この目標を達成するためには、できるだけ沢山の国から日本に繰り返し来ていただくための工夫が必要となってきます。さらには、東京と京都を結ぶ、いわゆる「ゴールデンルート」だけではなくて、地方に多くの外国人旅行客を呼び込む戦略も立てていかなければなりません。そこで、2030年に地方の外国人延べ宿泊者数を1億3000万人と昨年の5倍に引き上げることとし、何度も日本を訪れる外国人リピーターを3600万人と現在の3倍に引き上げることとされました。

これだけのお客様をお迎えするためには、ハードの面でもソフトの面でも十分な体制づくりが必要です。「おもてなし」という言葉だけに甘えるのではなく、世界のあらゆる人たちに満足していただける多様性を有した成熟した観光産業を育て、人材を育成していかなければならないと思います。旅館・ホテルもプライベートジェットでやってくるような超富裕層からバックパッカーに至るまで、あらゆるニーズに応えることのできる「品揃え」が必要となります。条件付きで解禁の方向へ向かっている「民泊」などもそのバリエーションのひとつになるでしょう。

国際会議や展示会を誘致するための施設整備も必要ですし、会議を終えた人々が余暇の時間を満喫できるエンターテイメントの充実も求められます。さらにはしっかりと文化財の保全をおこない、観光資源として活用していくことも必要となります。私が長年に亘って取り組んできた「IR」も、実現すれば、日本観光の「多様性」の一つとして大いに吸引力を発揮してくれるものと確信しています。

政府の新しい目標の実現に向かって、今後とも観光戦略、観光政策のの立案と実行に全力を注いでまいる決意です。