岩屋たけしのメッセージ

平成28年09月26日
「臨時国会がスタートいたしました」

今日から66日間の会期で臨時国会が始まりました。初日の今日はまず天皇陛下をお迎えしての開会式がとり行われ、続いての本会議で安部総理の所信表明演説ならびに麻生財務大臣の財務方針演説を聴取いたしました。明日からの代表質問からいよいよ本格的な論戦がスタートいたします。

私は今国会では、予算委員会委員、倫理選挙特別委員会与党筆頭理事、そして、情報監視審査会筆頭幹事をつとめることとなります。それぞれの審査に全力を尽くしていくと同時に、長年の懸案であるIR法案の成立へ向けて全力を尽くしてまいる所存です。

今国会ではまず事業規模で28兆円にのぼる補正予算案を早期に成立させ、景気経済への梃入れを図っていかなければなりません。さらに前国会からの持ち越し案件であるTPP関連法案を成立させる必要があります。

TPPに関しては、「言いだしっぺ」の米国の動きが鈍いことが気にかかります。大統領選挙もいよいよこれから佳境を迎えていきますが、目下のところ、クリントン、トランプ両候補ともにTPPに関して後ろ向きの発言をしているのは、なんとも解せないところです。

しかし、それだけに、域内で第二の経済規模を有する我が国が率先して関連法案を成立させることで、米国の尻を叩いていかなければならないのだと思います。アジア太平洋地域に高レベルで透明性の高い自由貿易ルールを作ることは我が国のみならず、地域全体の発展と繁栄に資するものと考えます。

TPPの意義はそれだけにとどまりません。自由貿易体制、自由交易体制がこの地域に成り立っていくためには、海洋や空域における安全がしっかりと保たれていなければならず、それがためには国際法に則った公正なルールを確立することが必要だからです。域内の多くの国々がTPPに参加することによって、いきおい、その機運が高まっていきます。地域の安全保障のためにも、早期にTPPを発効させることが必要なのです。

そして、IRです。IRとは、何度も申し上げてきましたように、「施設のごく一部にカジノを含む複合型・統合型の大型観光施設」を指します。カジノが主目的なのではありません。大規模な集会施設(コンベンション施設)等を有するハイグレードな観光施設全体を運営していくためのエンジン役として、世界標準のゲーミングであるカジノを、厳格なルールの下に国内の数カ所だけに認めていこうとする構想です。

その目的は「観光立国」にこそあります。安倍政権の最大の課題は「成長戦略」であり、その大きな柱のひとつが「観光」であることは言うまでもありません。もちろん、我が国経済の最大の柱は「ものづくり」にあり、そこにおける優位性を今後とも保っていかなければならないことは当然です。それがために、AIであれ、ipsであれ、IoTであれ、自動運転であれ、環境技術であれ、ナノ技術であれ、大いに磨いていけばいい。しかし、目下、急速に成長を遂げており、今後とも着実に成長が見込まれる「観光」分野にこそ、当面、最大の注力をしていくべきだと思うのです。

ご承知のように我が国へのインバウンド(外国人旅行客)は今年で2000万人を突破することが確実です。その観光消費額も4兆円を突破する勢いです。しかし、政府が新たに掲げている目標は東京オリンピック・パラリンピックが開催される2020年までに4000万人、そしてその10年後の2030年には6000万人というものです。さらにその時の観光消費額目標は16兆円。これは現在、最大の輸出産業である自動車の12兆円をはるかに上回る数字です。

この目標を達成するためには、日本観光にありとあらゆるバリエーションが備えられている必要があります。「あれしかない、これしかない」という日本観光ではなく、「あれもある、これもある」という多様性を備えていく必要があるのです。IRはそのためのひとつの手段でしかありません。しかし、それさえ認めることができないようなことであっては、到底、世界に冠たる観光立国には成り得ないと考えます。

大事なことは、これまでともすれば「つけたし」のようにしか考えてこられなかった「観光」を真の意味で産業化し、高度化することです。付加価値をさらに高めていき、そこで働く方々が高所得を得られるような産業に成長させていくことです。そのためには言語環境からIT環境、さらには文化財の保護状況に至るまで相当に改善を図っていく必要があります。「観光立国」を担うに足る高度人材の育成も必要です。国際競争に勝ち抜いていけるIRを創設する試みは必ずやその起爆剤になっていくものと確信しています。

このIR構想に対する一部の偏見を解くために、私は来る10月3日に「『カジノ法』の真意」という本を出版することといたしました。現在、国会に提出している法案はあくまでも「IR法案」です。しかし、これを敢えて「カジノ法」と称することによって、偏見や異論に真正面から向き合い、その真意を明らかにしたいと考えたからです。ぜひお読みいただき、IR構想、ひいては「観光立国」の必要性に対するご理解を深めていただきたいと切に願っているところです。

明日からの2か月余。全力投球してまいります。